日本を巡るお寺・神社の旅

癒しを求め、各地を旅しながらお寺や神社をお参りした時の記録。

(神社) 瀬戸内の海に建つ大鳥居と荘厳な社殿 厳島神社 

厳島神社(いつくしまじんじゃ)(広島県廿日市市

※正しくは嚴島神社と書きます。

主祭神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

    田心姫命(たごりひめのみこと)

    湍津姫命(たぎつひめのみこと)


癒しのポイント

 安芸の宮島として、日本三景も数えられており、1996年にはユネスコ世界文化遺産に登録されています。(ちなみに、諸説あるようですが一般的に日本三景とは、広島県の宮島、宮城県の松島、そして京都府天橋立を言います)
 瀬戸内海に浮かぶ小さな島(宮島、またの名を厳島)にあり、橋が無いので渡船でしか渡ることはできません。渡船からは、海の中に建つ高さ16mの大きな鳥居越しに、平安時代寝殿造りによる荘厳な社殿を見ることが出来ます。
 厳島神社主祭神は、宗像三女神と呼ばれ、須佐之男命(すさのおのみこと)が高天原(たかまがはら)で天照大御神(あまてらすおおみかみ)に邪心の無い事を示す御誓(うけい)を行った時に生まれたとされる神様であり、その由緒から御皇室の安泰や国家鎮護、そして海の守護神として多くの人々の信仰を集めてきました。

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厳島神社遠景

宗像三女神の神話


 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)を父神とし、伊邪那美命(いざなみのみこと)を母上として生まれた、三貴神天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみのみこと)、そして須佐之男命(すさのおのみこと:建速須佐之男命素戔嗚尊など、記紀により幾つかの表記があります)は、それぞれ天の国である高天原、あの世である黄泉の国、そして海原を支配地としていました。
 しかし、須佐之男命は母である伊邪那美命がいる黄泉の国へ行きたいと願う思いが強く、泣き叫ぶことで、天地に甚大な被害を与えてしまい、父である伊邪那岐命の怒りを買い、支配地から追放されることになります。
 そこで、須佐之男命は、黄泉の国へ行く前に、高天原を支配する姉の天照大御神に会おうと高天原へ向かいます。すると須佐之男命の歩くたびに山が響き渡り、天照大御神須佐之男命が高天原を奪いに来たのではないかと考えました。
 須佐之男命は、姉の天照大御神の誤解を解くために、御誓(うけい)と呼ばれる真偽を明らかにする占いを行います。その儀式のなかで、天照大御神須佐之男命の持つ十拳剣(とつかのつるぎ)をかみ砕いた時に、天照大御神の息の霧から生まれたのが、厳島神社主祭神である三柱の女神(宗像三女神)となります。
 なお、御誓の結果は、須佐之男命によこしまな野心などないと認められ、天照大御神に受け入れられることとなります。

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神社への行き方


 JR山陽本線の宮島口駅、あるいは広島電鉄広電宮島口駅から、徒歩5分の所にある船着場から渡船で向かうことになります。渡船は、JRが運行しているJRフェリーと、別の業者が運行している松大汽船があり、宮島口桟橋から宮島フェリーターミナルまで、ともに頻繁に船が出ています。フェリーですので自家用車、バイク、自転車で乗り込むことも可能です。所要時間は約10分、料金は共に片道大人180円。
 JRフェリーには少し大回りになりますが、大鳥居のそばにまわってくれる便があります。一方、松大フェリーは宮島でのロープウェイなどにも乗れる少しお得な1日乗車券ありますので、ご旅行の都合にあわせて使い分けもできます。
 宮島フェリーターミナルから厳島神社までは、島内の門前町(ホテルや旅館、飲食店や土産物屋さんがたくさんあります)を歩いて、1km、徒歩12分程度です。

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厳島神社周辺

参拝の記録


 広島駅から山陽本線で約30分のところにある宮島口駅が玄関口になります。広島駅からは広島電鉄も同様に宮島口まで走っていますが、時間は倍かかります。世界遺産になったからでしょうか、外国人観光客がとても多く国際色豊かな街になっています。

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玄関口の宮島口駅

 フェリーは大鳥居から少し離れたコースを取りますが、日中は大回りして大鳥居の近くにまわってくれる便もあります。海の上に建つ鳥居は、まるでファンタジー映画のシーンのような感じで不思議な感覚です。

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大鳥居

 島内の門前町を歩いてくると、このように社殿の全景が見られるスポットもあります厳島神社の手前に少し半島っぽく突き出た場所にある豊国神社からは、このように社殿と大鳥居がいい感じで眺めることが出来ます。

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社殿

 入り口から入って本殿にゆくまでは、このようにフォトジェニックな朱の鮮やかな東回廊をあるいてゆきます。なんとなく平安絵巻をみている気分になります。

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東回廊

そして神社中央部に位置する本殿。度重なる台風や風水害で、何度も倒壊したそうですが、そのたびに人々の努力でこうして復活を遂げているとの事。

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本殿

 ちなみに、島内にはシカが生息しており、まるで奈良公園のように、観光客の間を我が物顔で歩いています。一度、夜に島内を散策すると、至る所で休んでいるシカに遭遇しますが、暗闇に目だけが光るのでびっくりすることがあります。

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島内のシカ

 廿日市市で作られているお酒「弥山(みせん)」。弥山とは厳島神社のある宮島の山の名前で、古くは山自体がご神体として信仰の対象となっていたそうです。いまはロープウェイで山頂まで上がって観光することが出来ます。

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弥山

 


御朱印


 神紋の三つ盛り二重亀甲に剣花菱をかたどった印。

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御朱印