日本を巡るお寺・神社の旅

癒しを求め、各地を旅しながらお寺や神社をお参りした時の記録。

西国(6) 壷坂霊験記にも語られる眼病に霊験あり 壷阪寺

西国六番札所(奈良県高市郡高取町壺阪)

壷坂山 南法華寺(みなみほっけじ) 真言宗 通称:壷阪寺(つぼさかでら)


癒しのポイント

 南法華寺(通称:壷阪寺)は、古来、眼病に霊験あらたかなお寺として知られています。それにちなんだ目のお守りなどは壺阪山ならではかと思います。ちなみに売店では眼病封じのせんべい、目薬の木茶、目薬の木あめ、、なども。
 もう一つ、壷阪寺は長年インドへの医療支援に尽力しており、その返礼とインドから大釈迦如来石像、大観音石像、大涅槃石像などが送られています。歴史のある日本の寺ながら、少し風変わりなインド寺院の雰囲気を味わうこともできます。
 吉野山を背後にして、奈良盆地を一望する高台にあり、遥か眼下にある明日香の町並みを一望できる景色も素晴らしいです。


壷坂霊験記 伝説 (壷阪寺Webより)


 今より三百年以上昔、座頭の沢市は三つ違いの女房お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。沢市は盲目ゆえ琴三味線を教え、お里は内職というなんともつつましい暮らしであった。そんな沢市の胸中に一つ不安が生まれていた。というのも明けの七つ(午前四時)になると、お里が毎晩床を抜け出していたからだ。
 「もしや好きな男が…」と問いただすと、お里は沢市の目の病が治るよう、この三年もの間欠かさず壷阪寺の観音様に朝詣でをしていると訴える。疑った自分を恥じる沢市はともに観音様にお参りすることにしたが、心の中は盲目がゆえに不遇な暮らしをしているのだと自分を責める。そして、一度お里を家に帰して、お里を自由な身にしてやろうと自分の身を投げてしまうのであった。
 不吉な予感であわてて戻るお里は、非常な現実に遭遇し、自らも身を投げてしまう。しかし、二人のせつない夫婦愛が、観音様の霊験により奇跡が起こり、沢市・お里は助かり、沢市の目が開眼した。本堂横手には、そのお里、沢市が身を投げた、投身の谷と言い伝えられている谷がある。

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お里・沢市の像

 

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お寺への行き方


 近鉄電車で大阪阿部野橋駅(JR天王寺駅横)から、特急あるいは急行で約40分のところにある壷阪山駅が最寄りです。駅前からはバス(奈良交通)の壺阪山行きに乗り約10分(330円)で到着です。但し、バスは1時間に1~2本程度。閑散期は2時間に1本程度となりますので時刻は要チェックです。タクシーだと壺阪山駅から約10分、1500円程度になります。
 自家用車であれば、橿原市から国道169号線を南下し、壷阪山駅を過ぎて1.6kmほどした清水口交差点を左折して1.7kmです。急な上り坂ですので歩きはかなり厳しいと思います。駐車場は普通車500円です。

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壷阪寺周辺

参拝の記録


 駐車場のすぐそばに境内への入り口があります。入山料は600円。通路右手は講堂、左手には養護盲老人ホームがあります。

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入り口

 山門(仁王門)、立派な仁王さんが出迎えてくれます。

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山門

 大日如来座像がお祀りされている多宝塔。

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多宝塔

 灌頂堂、十一面千手観音菩薩が本尊として祀られており、その両脇に豊臣秀長公像、本多俊政公像がお祀りされています。

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灌頂堂

 普照堂と呼ばれる禮堂。そして奥には八角円堂と呼ばれる本堂があります。703年創建と言われる八角堂は、日本でも最も古くに建てられたものと言う説もあるそうです。禮堂は文字通り、本堂を礼拝するためのお堂ということです。

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普照堂(禮堂)、後ろには八角円堂(本堂)があります

 たまたま、参拝した時期に「大雛曼荼羅」というものをやっていました。禮堂の中に所狭しと並べられた2020体の雛人形と、中央からのぞく本堂の十一面千手観音雛人形には”変わり種”もあり、オムライスやおにぎりを食べているお雛様、チェロを弾いているお雛様、ゴルフをしているお雛様もいるみたいです。2020年3月末までらしいので、行かれた方はいろいろなお雛様を探してみてはいかがですか。

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本堂内部(1)

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本堂内部(2)

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本堂内部(3)

 重要文化財の三重塔。

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三重塔

 慈眼堂、かつてあった阿弥陀堂の木を再利用して、近年建てられたお堂です。お釈迦様の涅槃像、そしてお釈迦様の誕生から涅槃までの生涯を描いた絵が飾られています。また、二層目にはかつての阿弥陀堂にお祀りされていた阿弥陀如来がお祀りされているそうです。

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慈眼堂

 まよけ橋。わたると、向こう側には仏伝図のレリーフがあります。

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まよけ橋

御朱印


 御朱印は「普照殿」(本尊の十一面千手観音菩薩を祀りしている本堂の名前)

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御朱印

 

 

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